新府内録 社長の窓

第34回コラム「国内マーケット縮小均衡に伴う、企業M&Aの行方」

少し前になりますが、今年版の中小企業白書について諸々あるなか、「少子高齢化に伴う、マーケット縮小対応主眼の(中小企業)M&Aが活発である」旨のレポートがありました。

ちなみにM&Aとは、Mergers(合併)&Acquisitions(買収)と言う意味で、現在の先進国らに代表される資本主義に伴う、株式会社形態では持ち分株式を買い取り等で、合併するやり方がごく普遍的な事から、一色単に(このように)呼称されています。

よく言われているのが、俗に言う上場企業(大企業)と中小零細企業でM&Aの事由が異なる的見解です。

大企業ではそのマーケットが非常に広範であり、業務も固有(特化)している事が多く、M&Aの相手先にはいわゆる「相互での相乗効果」を求める、戦略的な企業合従(極めて前のめり的)が大半であるのに対し、中小零細企業は種々あるなかで後継者不足に伴う、事業譲渡的M&A(反して後ろ向きとは思いませんけど)が殆どである、と言われています。

ここで中小零細企業の現況を分析してみますが、ご承知の通りジャンルを問わず過半が家族や親族で株式(資本)を持ち合う、言わば「ファミリービジネス」が一般的、加えてそれらを最適化した「特例有限会社」も多いのが特徴として挙げられます。

もちろん大企業にも、企業理念を明確化する意味合いから家族や親族が事業承継していますが、上述の比では無いです。
 

ここで自身のエピソード(ホンの種明かし)をご披露させて頂きますと、前職から現職まで今のところ、大分市内に一応構えさせております。

何故に大分市内なのか。想うに40数年余り前、本州(山口県)から高速道路も開通していない大分市は、国道で5時間ゆうに掛かっていました。
当時の工業薬品総合商社が、山口県下関市から大分市内に追加開設してばかりで、関係先を紹介開拓していた時期重なり、諸々特殊な経緯も相まって、当時前職の創業社長が「他県と異なり、大分市なら既存の同業者もほぼ無く、論客揃いである親族の雑音もあまり届かないであろう」と言う、ある意味「突き抜けたフロンティアスピリッツ」を抱きながら、単身進出した逸話。

これは自分のみが知る、ウソみたいなホントのキッカケです、戦略的と言えば…ある意味的を得ているかもしれません。
しかしその創業社長が生きた証であり、長きに自身も一緒で関わらさせて頂いた前職事業が、どんなカタチであれ現在も存続している事は、天上からさぞ誇らしくご覧になっていると思います。

こんな風に書くと、最もらしい印象になるのですが、結論から言えば長きに亘っても、これほどまで地場産業が育たず、マーケットボリュームが然して、変化しない県域も非常に珍しいのではと、さしあたりの回顧をしているところです。

そんな大分県内は地方紙によれば、少なくとも九州七県のオールジャンルで、(中小零細企業主眼)M&Aの件数が「トップ」なのだそうです。
なるほど、同じような考えを持った経営者が多いのかと(なんてね)。

最もこれは地元県民性と言う名の、一種高い流動人口性が醸し出す、賢い思考を持った企業スタンスを物語っています。
ちなみに同地域の最下位はお隣の宮崎県。言わばそれだけファミリービジネスの要素が、低く無いポリシーが現れています。
 

あくまでもM&A(公的助成金による経営維持や、やむを得ない場合の休業や廃業も加味)はその手段の一つであり、非常に大切な企業経営とは、「その歴史(特に創業経緯)を知り、将来を最適に展望する」事だと信じています。
それがファミリービジネスモデルであれば良いし、それ以外の形態を堅持するなら、これも良しです。

本来なら中小零細企業のM&Aも、大企業のそれと同じく「極めて戦略的かつアグレッシブな合従連携」であって欲しいと、考えます。

全く異なる企業風土を互いに持ちより、エリアを越えてまで業務・技術提携から、資本提携や企業統合へ発展する。
長期低成長に喘ぐ国内経済勃興へのカンフル剤として、以上の事を提案致します。

これほどまでのデジタル化した経済下です、長期に亘って勝ち残って行くには、自らを積極的に化学反応させて絶えず新しい姿形を、マーケットへソリューションするしかありません。

「攻める事が、翻って最大の守りになる」。今め昔も変わらない代々受け継ぐ、大好きな経営スタンスです。
但し、ただリスクを取るだけの経営へならない様に。

 アガワ・ハイテックソリューションズ株式会社
代表取締役社長 阿川 丈生