新府内録 社長の窓

第5回 企業戦略の真髄~これまでの活動から

常々自分が考える企業戦略の本質とは、規模(キャッシュフロー)の大小に拘わらず人的ソースも含めて、創業理念を極めて行くかに尽きると思います。

ここが強固なら例え時流が早くとも一喜一憂せず、全う出来て永続への近道と足りえるからです~その為には明日の事から長期に至るまで如何に着眼点を整えるかに掛かっています。

幸いここは超?長期に培った知識や経験に基づく皮膚感覚を持って、ビジネスフィールドに様々な事象を捉えつつ「瞬時に判断出来る」能力が(僭越ながら)備わっており、片時も異なる事は無いと確信しております、後はステークホルダーでありカスタマーである皆さまの評価と言う、最大のハードルが待ち構えている訳ですが・・・。

先般、前職から入会しております九州地域半導体関連アライアンスグループの招きで、大分県臼杵市発祥~そのカテゴリによっては国内最大であろう半導体後工程ファクトリー企業登記上本社の工場見学に行って来ました(運営上の本社は神奈川県横浜市)。

こちらは(中略)元々大分県佐伯市内で紡績企業を営んでいたところ、数える事丁度45年前に当時の大手家電メーカーの大分工場(現在本体はDRAM生産工程のみ、画像センサー生産工程は別の大手家電メーカーへ今年4月稼働開始にて有償譲渡)立地に伴い協力企業として業態転換、後に大分県臼杵市内へ工場移転して当初は後工程製造装置メーカーとして展開するも、事業承継した創業者の実子である二代目社長により、後工程製造工場(企業)そのものとして更に転換を果たした後は、主に大分市内の同業各社を始めとしたM&A戦略により~車載半導体デバイスの国内メーカー協力工場買収、ついには米国の同じくデバイスメーカーと資本提携、「攻めの連結企業化」を果たして現在に至っております。

以前から相互で面識のある上記企業社長の賢明なところは、半導体世界市場の現況を正確に捉え、友好関係の企業(国)と競争関係と置く企業(同じく国)を先の大戦以降に伴う外交スタンスに沿って明確に区別している事にあり、その企業戦略は曰く賞賛に値するところです。

自動車分野もそうですが、国同士の利害関係も絡む~こと半導体分野については、この様なアウトラインも正確に把握して自社の企業戦略へ生かす「森をみて木をも見る」着眼点が非常に求められており、他の国内企業も同じく(国名は明記しません)この様なビジネス相関図が形成されている様にあります。

実はスケールは違えど前職でも同様の事を試みましたが、諸事情により道半ばで中断・・・図らずも小職でその続きを展開して行きそうです、これらについては次回コラムで触れます(笑)。

以前から地方を拠点に企業活動を行っていると、どうしても地元の事情を優先せざるを得なくなりがちですが~実際展開するにしても関連する広域のアウトラインは正確に捉えないと、重要な経営判断を見誤る危険性があり、どんなに苦しくてもここは外さない様にするべきと当方は考えます。

当日の工場見学で甚く感銘を受けたのは、今回見学させて頂いた登記上の本社工場内で勤務する本体業務従事者皆さんのユニフォーム~特にキャップのネームが以前の社名(つまり苗字を)そのままだった事。

すかさずお聞きすると、案の定「ここの拠点だけ社名変更前から勤務の皆さんは現在も着用している」との由、ここに現社長が抱くもう一つの「企業理念」が垣間見えて胸が篤くなりました。

M&Aを繰り返し、運営上の本社や事業規模が大きく変わっても目指す志の原点はそのまま残存する~図らずも大分県内が発祥で現在も拠点を置く企業の傾向かもしれませんけど、弊社もこれらを参考に「その先にあるもの」を一心に目指して行きたいと、気持ちをより一層引き締めた一日でした。

キャッシュを投じても、決して補えない創業理念から起因する企業戦略や経営理念、企業活動を重ねた後に策定する「弊社企業理念」に反映すべく参考に致します。

以上を踏まえ~経営者としての資質は小手先のテクニックよりも、案外この様な事由で判断されるかもしれません。

── 今回コラムの骨子 ──

  • 企業永続とは通年に亘り、その創業理念が長く通用する事。
  • その為には、経営者本人の知識や培われた皮膚感覚が欠かせない。
  • キャッシュフローが全ての企業経営でも、キャッシュだけでは通用しない創業理念や企業戦略が必ず存在する。
 アガワ・ハイテックソリューションズ株式会社
代表取締役社長 阿川 丈生