新府内録 社長の窓

第41回コラム「一度も見ていないドラマ半沢直樹について、古き佳き作劇の世界」

セカンドシーズンも佳境を迎えた、毎週日曜日21時から全国ネット放送のドラマ「半沢直樹」。

 

この最新メガトレンド的番組を、ファーストシーズン含めて一度も視聴した事がありません、もちろん後日のデマンド視聴も。

見聞きしているのは、放送時間帯中やオンラインに流れる予告編くらいなもので、何故かこの状態が現在進行形です。

 

皆さまのインプレッションもさる事ながら、こう言うストーリーの職業ドラマを俗に「食わず嫌い」の分類にしてしまいます。

 

一体そんな心持ちにしてしまうのはドラマ自体の売れんとしたい、もしくは巷の視聴者を引き付ける「エッセンス」が逆説的にマイナス方向へ(自分は)作用してしまいます。

多分に好き嫌いの単純な要素も、孕んでいるのしょう。

先ず主人公を演じている堺雅人さん、この俳優さんは宮崎県のご出身で知るところでは私立大学在学中に演劇へ目覚め、そこからドラマへ進出との経歴から見ていて「高度なインテリジェンス」を画面からついつい感じてしまいます、最近ながら好例は2016年度大河ドラマの「真田丸」。

 

あの真田幸村を(三谷幸喜脚本)非常に思慮深く、かつ丁寧に演じる秀逸なお芝居を一年通して拝見させて頂きました、決して偏見では無いですけどここでは県民性に触れません・・・。

言わずもがなオンライン全盛の時代になり、少なくとも西暦2000年代まではテレビドラマにある種の日常を少しだけリードした「ファンタジック性」があったように思います、ゆえのキムタクドラマだったりする訳なのですが。

テレビ<オンラインの形勢が少しづつ到来する中で、一つ示した模範解答が「半沢直樹」的作劇プロセスでしょう、制作陣もそれら確信して取り組んでいるのがある意味凄かったりします。

 

職業ドラマも三要素と言えば定番は刑事、次は医療系、で、ジョーカー的切り札が何を隠そう「銀行(金融機関系)」ドラマ。

文字の配列からして高貴な雰囲気があります、やはりお金を取り扱う職業は比較的尊いのかな、なんて。

金融機関系を描いたと言えば、最近有名なのが高杉良原作の経済小説がモチーフになって1999年に映画化された「金融腐蝕列島[呪縛]」でしょう、1990年以降の俗に言うバブル経済崩壊を描いた最初の作品を、自分は文庫本もさることながら映画館でも真っ先に拝見しました。

 

そこから銀行系の職業ドラマや経済ドラマは大半が重厚な作風や演出で描かれます、同じく小説から映画化された投資ファンド・銀行・企業相互の攻防を巧みに描いた「ハゲタカ」シリーズ。

当時前職を命のリレーで継いだ自分がある意味満身創痍の最中、絶妙なタイミングで放送した事は以降自分の経営スタンスに重要な影響を及ぼしました、と書けば少々オーバーでしょうか。

何がそうさせるのか、これらの少なくとも2作品は「事実を基にした経済小説」と言えます、個人的に経済活動の血液たる「お金」が織りなす人間模様のある意味儚さが、当時の心持ちへ突き刺さって行ったのだろうと。

 

そこから比べると半沢直樹は、その中で務める各人のバトルにフォーカスを置き優勝劣敗を明確にした「古き佳き作劇」と言えなくもありません、如何せん一度も見ていませんのでこれ程しか書けません。

「課長島耕作」も”会長”まで行きましたし、あくまで未確認ですが半沢直樹も”頭取”まで描くとのアナウンスもあると聞き及ぼします、放送枠である日曜夜9時の視聴層を鑑みても、見えざる遠心力と無縁のサクセスストーリーは「ドリーマーの様なリアリスト」を標榜する自分にとって、これまでのドラマ構成要素も含めると少々苦手な部類に入ってしまうのかな、見ている方々は非常に清々しい心持ちになるのでしょうけど。

 

次回スピンオフ作が可能であれば、トレンディードラマの先駆け「君の瞳をタイホする(一応刑事ドラマ)」の金融機関系ドラマとか製作希望します、ファンタジックになると思うのですが。

(弊コラムはあくまで個人の見解に基づくものです)

 アガワ・ハイテックソリューションズ株式会社
代表取締役社長 阿川 丈生