新府内録 社長の窓

第7回 国内自動車産業の過去現在未来~自身の経験から

コラム執筆日にスクープされた「日産自動車による三菱自動車工業資本提携、事実上買収」の記事。

詳細な経緯や今後の進捗は、関連メディアをご覧頂くとして~冒頭はこちらの感想を一筆。

今回の問題については、これまでの蓄積された経営的・技術的課題を一掃するかつてないチャンスと捉えています~つまり、旧財閥にルーツを置く大きな企業体である三菱グループからの実質卒業も覚悟して本当のスタートラインに来たと。

思うに、日産自動車としては三菱自動車(以後工業は割愛します)の企業力を6年前の軽自動車に関する技術提携で既に掌握、この機会が到来する事を想定していたと勘案しているところです。

他のモノづくり分野と同じく、自動車産業分野も次世代自動車開発を始めとした基礎研究に多大な先行投資を必要とします、当然ながら特に先進国でハイブリッド・電気自動車(EV・PHV)が急速に販売台数を伸ばしている現状は、いわゆるマーケットリーダーないし~従来の内燃機関系自動車にしても同じくニーズへイニシアチブを持って展開しない限り、先ず単独での生き残りは非常に厳しいと言わざるを得ません。

皆様もご承知の通り、三菱自動車はこの点で2000年以降明確に出遅れていました、要因としては当然過去の不祥事による企業体力の低下が挙げられますが、その中でも先ずの生き残りを賭け「既存ソースを最大限活用する、プロダクツ・オペレーション」に注力した印象を、同~時系列から伺う事が出来ます、その場を凌ぐと言ったら誇張に過ぎますけど生産拠点の再編や過去の売れ筋モデルを進化させる手法が、その最たる例です。

しかし確固たる中長期的企業ビジョンを持たなかったが為、そのどれもが中途半端~(中略)国内軽自動車分野でその技術的限界:と言うよりも明確な開発指針が数年来より不在している~市場での優位性が保てない~然るに届出書類偽装に至って行く。

当然の帰結ではないでしょうか、モノづくりを志しているものとしてこれら一連の出来事は「他山の石では無い」、と肝に銘じている毎日です。

常に書いている通り、資金需要が限られている中で既存のやり方がどうしても通用しなくなった場合は「即座に次の一手を打つ」。

その為に、常日頃から自身を取り巻く産業のインライン・アウトラインを同時に捉えて行く必要性を最大限重視しています、企業経営は有限ですが企業ビジョンは「無限大」、進取の精神を人生のモットーらしく現在置いている立場がその証明です。

この6月にも予定されている両社各々の株主総会を経て、日産自動車傘下に収まった場合は「スリーダイヤからの卒業、つまりは社名変更」を是が非でも断行するくらいの、勢いを持って頂きたいです・・・現実問題厳しいでしょうけど。

翻って自身の主戦場(と呼称します)となっている大分県では、隣接する北部九州・広島県に倣いダイハツ九州が操業開始して早くも12年経過致しました、技術的にも政治的にもこの分野には現在も手を焼いておりますが、自身が果たすべき役割は例え下僕になろうとも「過去現在未来の時系列に倣っても、金輪際不変」とのスタンスを貫きますし、今後もそのつもりです。

紙幅も限られていますので、思いの丈等は本人に直接聞いて頂ければ幸いです、ただ当方が何事も同分野に於いて察し動く時はかなりダイナミックかつこれまでに無い論理的な展開でなければならないでしょう、一例としては先ずかつてのライフワークだった産学官連携研究活動を早い時期に復活させるかもしれません、Ver.2.0となりそうな今後の展開をどうぞお楽しみに。

国内モノづくり分野に於ける最後の燈火である「自動車産業」。微力ではありますけど少しでも灯し続けるべく当方の取り組みは続きます。

地元大学工学部の教授から送られた、大分県の自動車分野に於ける、「オピニオンリーダー」として。

── 今回コラムのまとめ ──

  • 今回報道の記事は国内自動車産業再編の可能性も孕む
  • 企業経営は有限だが、企業ビジョンは「無限大」
  • そうしたアウトラインを従えて眼下の地域では何が有益かを考察し、今後も「オピニオンリーダー」たらんと行動する
 アガワ・ハイテックソリューションズ株式会社
代表取締役社長 阿川 丈生